小胸筋の起始停止、神経支配、作用|ストレッチやトレーニングまで徹底解説

筋肉

小胸筋は胸の筋肉の中でも奥にあり、運動はもちろん姿勢、呼吸にも関係する筋です。小胸筋が拘縮したり働かなくなることにより様々な事が身体で起こってしまいます。

是非小胸筋の事を知って生かしてくださいね。

小胸筋(しょうきょうきん)の解剖学的特徴

起始第2~第5肋骨前面
停止肩甲骨の烏口突起
神経支配胸筋神経(C5~T1)
作用肩甲骨の下方回旋、吸気の補助筋、軽度の肩関節外転
栄養血管胸肩峰動脈(胸筋枝)

烏口突起と胸郭を結ぶ小胸筋を屋根として、その深部を鎖骨下動脈、鎖骨下静脈、腕神経叢が通過します。この位置で圧迫されることにより起こる痺れなどを小胸筋症候群(過外転症候群)といわれます。

小胸筋(しょうきょうきん)の筋機能の特徴

 

肩甲骨の烏口突起に付くことにより、烏口突起を前方に引き、肩甲骨下角が胸郭から離れる(肩甲骨の前傾)運動が起こります。また小胸筋は肩甲挙筋、菱形筋など共に肩甲骨の下方回旋に作用します。

小胸筋が単独で収縮した場合、肩甲骨の下方回旋および下制が起きますが、外転運動はわずかにしか起きません。

また前筋と小胸筋が共同して収縮することによって肩甲骨は外転運動を起こします。これは前鋸筋の上方回旋と小胸筋の下方回旋の作用が拮抗し、外転運動のみがおこなわれるということになります。

また肩甲骨が固定された状態で収縮すると、胸郭を引き上げて吸気を補助します。

 

小胸筋の臨床的特徴

上記で書いたように肩から上肢に疼痛を起こすものに小胸筋症候群があります。小胸筋症候群は胸郭出口症候群のひとつに含まれ上肢を外転させると症状が出ることから、別名過外転症候群とも呼ばれます。

 

小胸筋症候群は小胸筋の圧痛および放散痛(関連痛)が顕著に診られ、他の胸郭出口症候群(斜角筋症候群、肋鎖症候群)との鑑別も必要になります。

また不良姿勢などにより小胸筋が短縮位になり、肩甲骨の烏口突起を前下方に引っ張ることにより肩甲骨の前傾を起こします。この事により肩関節の可動域を狭くしたり、肩関節の不安定を出すことがあります。

 

小胸筋症候群のテスト法(ライトテスト)

 

やり方

座位で肩関節外転90°、肘関節90°で保持をします。

橈骨動脈の拍動を指で確認しながら肩関節を水平伸展を行っていきます。

この時に橈骨動脈の拍動が感じなくなったり弱くなくなると陽性所見となります。

 

小胸筋のストレッチ

こちらのダイナミックストレッチはストレッチポールを使った動画になります。

ない場合はバスタオルなどを丸めて代わりとして使うことができますがからだのケアを考えると1つ持っていても損はないと思います。

 

やり方

ストレッチポールの上に仰向けで寝た状態で腕を前に出します。

ステップ1

肘を曲げ伸ばししながら腕を前後に動かします。

ステップ2

肩を捻ります(外旋させます)

ステップ3

肩関節外旋位から手を上に挙げていきます。

ポイントは肩甲骨から動かすイメージで行ってください。

開始2分45秒あたりから紹介される胸椎伸展のストレッチは

胸椎伸展→肩関節屈曲→肩甲骨の後傾になるので結果

小胸筋のスタティックストレッチになります。

 

小胸筋のトレーニング

リバースプッシュ(ディップス)

小胸筋は腕を体側よりやや前方で固定する働きがあるため、レスリングや柔道など組み技系格闘競技においては特に重要な筋肉です。この筋肉を鍛えることによって肩がスムーズに動くようになるのでしっかり行うようにしましょう。

しかし、肩甲骨が前傾位にあり肩に痛みのある方は気をつけておこなうようにしてください。

リバースプッシュアップ(ディップス)は、上腕三頭筋や三角筋を鍛える種目になりますが、肘が伸びきった後さらに身体を持ち上げると小胸筋に刺激を入れる事が出来ます。

女性などのバストアップにもつながりますので行ってみてください。

まとめ

小胸筋は肩関節の中でも小さな筋肉です。しかし、しっかりケアをしたり動かせるように出来るようになると身体にとっていいことがたくさんあります。姿勢はもちろんの事肩の動きなどにも大きくかかわってきます。

しっかり意識をしていきましょう。

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