縫工筋は人体の中で最長の筋で股関節から膝関節をまたぐ二関節筋です。鵞足(縫工筋、薄筋、半腱様筋)を形成する筋肉で国家試験などでは必須ですよね。
また人体で最長と書きましたが、縫工筋の筋繊維は筋の走行と平行にして伸びております。筋繊維の細胞は、線維1本は1つの細胞でできているのでかなり長い筋細胞でできております。このあたりも押さえておきましょう。
また、鼠径靭帯と縫工筋、長内転筋の三辺でスカルパ三角を形成します。
縫工筋(ほうこうきん)の解剖学的特徴
縫工筋の走行は上前腸骨棘に起始し、大腿洗面を内下方に下ります。その後膝関節の屈伸軸の後方を通過した後脛骨粗面の内側へと停止します。
起始 | 上前腸骨棘(ASIS) |
停止 | 脛骨粗面の内側 |
神経支配 | 大腿神経(L2~L3) |
作用 | 股関節の屈曲、外転、外旋 膝関節の屈曲 下腿の内旋 |
栄養血管 | 大腿深動脈 下行膝動脈伏在枝 |
縫工筋(ほうこうきん)の筋機能の特徴
縫工筋は上前腸骨棘に起始するため筋の柔軟性が低下することにより、骨盤の前傾を促進させることにより腰椎の前弯を強める作用があります。
この結果腰痛の原因となることがあります。
またあぐらをかく動作は縫工筋の固有作用になります。
縫工筋(ほうこうきん)の臨床的特徴
スポーツ時における過度なニーインが強要されるダウ差の場合の動的安定性は、縫工筋をはじめとする鵞足筋群が主動的に動きます。
また鵞足炎などの鵞足部の疼痛に縫工筋が関与している場合、股関節伸展、内転、内旋位にて膝関節を伸展させると疼痛を再現ができます(ストレッチ)
縫工筋のストレッチ
縫工筋のストレッチは鵞足炎の時などに有効です。
鵞足炎はスポーツなどの時に多い膝の痛みの疾患です。
膝の内側が痛く鵞足炎の診断を受けた場合は縫工筋のストレッチはかなり有効になります。
縫工筋のトレーニング
縫工筋を単独で鍛えたりすることはスポーツ現場ではあまりないような気がいたします。
参考までにこちらの動画はわかりやすいと思います。
縫工筋のまとめ
縫工筋の過度な遠心性収縮を起こすとまれに、上前腸骨棘裂離骨折(じょうぜんちょうこつきょくれつりこっせつ)などを起こしたりします。
上前腸骨棘の触診および縫工筋の触診は非常に重要になります。
鵞足炎などもランナーやジャンプ競技のアスリートにも頻発するので縫工筋の触診やタイトネスをわかるようにするのも大事になってきます。セラピストはこのことを踏まえてしっかり学習をしましょう。
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