長拇趾屈筋は、拇趾を屈曲する筋肉でもありますが足関節も底屈する筋肉です。また第一列の沿って筋が走行するので、内側縦アーチの補助にも一役をはたします。
また内果の足根管を通る筋肉は、後脛骨筋、長拇趾屈筋、長趾屈筋が通るので国家試験にも問われやすいので覚えておきましょう。
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)の解剖学的特徴
起始 | 腓骨体の後面 |
停止 | 拇指末節骨底 |
神経支配 | 脛骨神経(L5~S2) |
作用 | 拇指の屈曲 足関節の底屈 足部の回外 |
栄養血管 | 腓骨動脈 |
足根管レベルでは後脛骨動脈の後方でアキレス腱内側縁の前方を通過します。
長拇趾屈筋の走行は、腓骨体の後面で起始しアキレス腱の下方を通過後、距骨の長母趾屈筋腱溝を通り載距突起を滑車として拇趾の末節骨へ停止します。
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)の筋機能の特徴
長拇趾屈筋は拇趾を屈曲し、足関節の底屈する。また足部に対してこれを回外します。
長母趾屈筋は,腓骨後面の下部2/3および下腿骨間膜に起始し、足部内側に走行するため,足部が固定された状態では,下腿を後方傾斜と外旋させます.
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)の臨床的特徴
アキレス腱断裂後の固定期間中に長拇趾屈筋腱とアキレス腱が癒着する例があります。これは長拇趾屈筋が腱がアキレス腱の下を通過するからです。
長拇趾屈筋は下腿の後下方を降りていく時に距骨の後方中央部辺りを下降します。このため距骨が骨折したして骨片が後方に移動すると長拇趾屈筋を牽引し拇趾が90°屈曲します。これをナウマン徴候といいます。
また長拇趾屈筋は距骨の長母趾屈筋腱溝を通るときにかなり引っ付くような感じで通過します。
足関節は背屈する際距骨は、後方に滑って移動するため長拇趾屈筋が緊張していたり滑走不全を起こすと距骨の後方移動を邪魔するため足関節の背屈制限を起こす原因となります。
背屈制限を起こすことでアキレス腱炎やシンスプリントなどの原因にもなりえます。
足底部では第一列と並行に走行するため内側縦アーチの補助をする役割があります。
上の図を見てもらえばわかるとおもいますが、内側縦アーチを維持するために非常に重要なことがわかると思います。
先ほど長拇趾屈筋の滑走不全が足関節の背屈制限を起こす原因になると書きましたが、このように足底を通過する際の滑走不全でも背屈制限を出します。
足底(第一列部)での滑走を出してあげることによって背屈の可動域が出る事が多くありますので、やってみてください。
なかなか変わらないときに大きく変化があることだあります。
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)のストレッチ
まとめ
長拇趾屈筋は足関節まわりの痛みがある時に非常に重要になる筋肉です。
しっかり勉強していきましょう。
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