いまさらながらと思われるような納豆ですが、近年ますます注目になってきています。日本食の中では代表的な発酵食品になりますが、そのにおいの為苦手という人も多いと思います。しかし、栄養面から考えると納豆はアスリートにとってはかなりオススメの食品には間違いありません。
納豆は食べ方によっては栄養が損なわれてしまう場合もありますので上手にとるようにしましょう。
栄養面からみる納豆~スーパープロテイン食品~
納豆には様々な栄養がぎっしり詰まっています。それでは見てください。
1パック(約45g)
栄養素 | グラム数 |
タンパク質 | 7.4g |
ビタミンB6 | 0.11g |
カリウム | 300mg |
マグネシウム | 45g |
鉄分 | 1.5g |
食物繊維 | 3.0g |
ビタミンE | 0.5g |
カルシウム | 41mg |
ビタミンB2 | 0.25mg |
どれもアスリートにとっては欠かせない栄養素になります。
筋肉のもとになるタンパク質
アスリートの大好きなたんぱく質です。タンパク質はもちろん筋肉のもとになりますが、トレーニングで傷ついた筋肉の修復にも重要な役割を果たします。アスリートは体重の二倍のグラム数のタンパク質が1日で必要になります。低脂質のタンパク源はまさにアスリートにとってはまさに味方といえるでしょう。
筋肉をつけたいアスリートにビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質、脂質、炭水化物の代謝を行う重要な栄養素です。タンパク質からエネルギーを作り出す過程で酵素を手助けする役割もあり、その働きにより皮膚や粘膜の健康にも重要な働きをしています。神経伝達物質の合成にも関係しており、神経活動も正常にさせます。アミノ酸を合成する働きもあり、アスリートにもありがたい貧血を防止する作用もあります。
筋肉を動かすために必要なカリウム
身体の細胞の内と外にはナトリウムとカリウムが存在します。そのナトリウムとカリウムが入れ替わる時に身体の細胞は興奮し動きます。昔理科や生物の授業で習いましたよね?人間の身体ももちろんそのように動きます。筋肉も動かすためにはカリウムが必要になります。
カリウムは汗など共に体の外に排出されてしまいます。ですので運動中のドリンクはもちろんの事ですが食事でも十分に補給をしなければなりません。足らなくなると痙攣や集中力の低下を招き肉離れなども起こしてしまいます。
不足になりがちなマグネシウム
運動やトレーニングを行う上でマグネシウムは絶対に欠かせないミネラルのひとつです。筋収縮、酸素摂取、身体のエネルギー通貨といわれるATP(アデノシン三リン酸)の産生、電解質のバランスなど、運動に非常に関係のある生体機能における重要な働きを担っているため運動中に多く必要とされます。筋肉では、筋運動に必要なエネルギー、ATPの産生のためにマグネシウムが血中から筋細胞に取り込まれ利用されます。
マグネシウムも汗や尿から出ていくため必ずアスリートは補給をしなければいけない栄養素のひとつです。しかもマグネシウムは日本人の食生活では不足しやすい栄養素といわれております。日本人は20歳〜49歳の男性におけるマグネシウム必用摂取量は225〜241㎎ 、女性で184〜212㎎といわれておりますが10%から40%は不足しているといわれております。
女子アスリートにとっての天敵スポーツ性貧血に鉄分
運動中は発汗により鉄分は外に排出されやすく、また運動で体にかかる衝撃により体内の赤血球がこわれやすくなり、どうしても日常生活より鉄を消費しやすくなります。
赤血球の成分のほとんどはタンパク質と鉄を材料とするヘモグロビンです。ヘモグロビン内の鉄は酸素と結合して体の隅々まで運んだり、細胞の中のエネルギー代謝にも関係しております。
女性は月経もあるのでどうしても貧血にもなりやすく普段からこまめに鉄分を摂るのが非常に大事になります。タンパク質と一緒に摂ることにより貧血には非常に効果的だといえます。
意外と不足しがちな食物繊維
スポーツ選手は普段からバランスよく食べようとしていると思いますが忘れがちな栄養素なのが食物繊維です。食物繊維の主な作用は整腸作用なのですが、パフォーマンスに関係ないように思われるかもしれませんがお腹の調子が悪いとパフォーマンスは上がりませんし、ウェイトコントロールをする際には食事の中に食物繊維を入れることにより血糖値の上昇が緩やかになるため体重の増加を防ぐ役割があります。
強力な抗酸化作用のビタミンE
ビタミンEは疲労物質を早く除去をしてくれたり、不飽和脂肪酸の酸化を抑えてくれるため酸素を効率よく使用できるようになります。またビタミンEには血流促進の作用もあるために疲労の回復を早めてくれる期待が持てます。
また抗酸化作用があるビタミンEはその作用から『若返りビタミン』ともいわれ女性にもオススメです。
身体の基本カルシウム
アスリートだけではなくカルシウムの重要性はよく言われるところではありますが、アスリートにとってカルシウムが不足すると骨が弱くなり疲労骨折などさまざまなリスクが上がります。
あとあまり知られていないですがカルシウムは筋肉の収縮に使われたり、細胞間の情報伝達に使われたりするのでスポーツには欠かせない栄養素といえます。
また1リットル発汗することにより40mgほどのカルシウムが失われるといわれております。一日の目標摂取量が600mgといわれるのでこまめにいろいろな食品から摂取することは非常に大切なことです。
エネルギー生産の助けをするビタミンB2
ビタミンB2はビタミンB6と同様に炭水化物、タンパク質、脂質の代謝時に使われる酵素の補酵素としての役割があります。皮膚や髪、粘膜、爪などの細胞再生や、細胞を傷付け老化の進行を促す一要因と言われている過酸化脂質を分解、除去する働きなどにも期待が出来ます。
忘れてはいけない納豆のミラクル成分『ナットウキナーゼ』
納豆のねばねば部分に含まれているのがたんぱく質分解酵素のナットウキナーゼです。ナットウキナーゼは血栓を溶かすといわれています。
難しく書きましたがようは血液をさらさらにしてくれる栄養素です。
またナットウキナーゼは血圧を下げる効果や血流を改善する効果も発見されております。
ナットウキナーゼは熱に弱い!?
ナットウキナーゼはなんと50℃以上では働きが弱くなってしまいます。
納豆チャーハンや納豆オムレツなどは残念ながら働きを弱めてしまいます。過熱をしていない方が効果が高いのです。(お好きな方申し訳ありません・・・・・)
ちなみにアツアツのごはんぐらいなら大丈夫みたいです。
生卵とも相性が悪い!?
生卵と納豆といったらよく食べられる方が多いと思いますが納豆に含まれる「ピオチン」と卵の「アビジン」という成分が相性があまり良くないのです。
ピオチンはタンパク質を合成し肌の為にいいといわれておりますが、生卵のアビジンとくっつくと腸で吸収されず身体の外に排出されてしまいます。
この事から生卵とはあまり一緒に摂らないようにしましょう。
まとめ
納豆はアスリートにとってはかなり優れた食品といえます。摂りすぎるとあまり体に良くない事はありますが1日2~3パック食べても問題はありません。栄養は一度にたくさん摂るより回数を分けて摂った方がいいので栄養バランスのいい納豆を三食に添えてあげるとバランスのいい食事に近づきます。
過熱をせずにおいしく納豆を食べてくださいね!
マメ知識ですが納豆は混ぜれば混ぜるほどうまみ成分のアミノ酸が多くなるそうです。いっぱいかき混ぜてみましょうね(笑)
コメント