スポーツ系鍼灸師が解説する腰椎ヘルニア  どこよりもわかりやすく解説 腰椎ヘルニアとは?

スポーツ障害・怪我

前回記事で椎間板ヘルニアにオススメのエクササイズの『マッケンジー体操』をご紹介をしました。その記事が反響がよかったので、ヘルニアでお困りな方は多いんだなっと思いました。そこで今回は腰椎ヘルニアの解説をわかりやすくしていきたいと思います。

腰椎ヘルニアって!?

そもそも「ヘルニア」とはどういった意味なのでしょう?

ヘルニアとは身体の一部分が、もともとあるべき場所から飛び出してしまった状態をヘルニアという状態です。

鼠径部から腹膜や腸の一部が鼠径部から皮下に出てしまうのは、俗にいう脱腸は「鼠径部ヘルニア」といったり、脳が何かしらで内圧が上がって脳組織が一定の境界を越えて隣接している空間に出てしまうのも「脳ヘルニア」といったりします。また赤ちゃんがでべそになっているのも正式には「臍(へそ)ヘルニア」といったりします。

腰椎ヘルニアとは!?

それでは腰椎ヘルニアとはどういった状態なのでしょう?

ネッターコンパクト解剖学アトラス より

上の図は椎間板円盤を取り出した図と腰椎(腰の骨)を左側からみた図です。

椎間板は周りの繊維状になったているところ①繊維輪といい②を髄核といいます。椎間板をおまんじゅうに例えるならおまんじゅうの皮を繊維輪、あんこを髄核といいます。

椎間板ヘルニアはおまんじゅうの皮(繊維輪)が何かの力により破れたり、つぶされたことによってあんこ(髄核)が飛び出した状態をいいます。

椎間板ヘルニアの種類とは!?

椎間板ヘルニアは分類方法はいろいろあるのですが、今回は出る方向と出方によって分ける方法をご紹介いたします。

そもそも椎間板にかかる圧力は椎間板の構造上、前方部分に負荷がかかります。ですので前方がつぶされるので内容物は後方に飛び出ます。おまんじゅうも半分側でつぶすとつぶされてない方にあんこが飛び出すのと一緒です。

椎間板ヘルニアの出る方向によっての分類

外側型

椎間板は前と後ろは硬い靭帯(前縦靭帯、後縦靭帯)によって挟まれており多くは斜め後方に飛び出ます。この型を外側型といいます。外側型は腰椎から出ている神経を圧迫するので主な症状は下肢痛といって足に痛みがあります。ほとんどがこのパターンです。

正中型

ネッターコンパクト解剖学アトラス より

正中型は強い外力や、繰り返しの外力により後方の後縦靭帯など組織に傷が入り、突きやぶって後方に飛び出し上の図の②椎間孔に髄核に飛び出します。椎間孔の中には脊髄神経と言って人体で非常に重要な神経を通しています。これを圧迫すると膀胱直腸障害(尿意や便意などが分からなくなる)など重篤な症状を出す時があります。この場合は緊急を要します。

毎回おまんじゅうに例えますが、外側型はおまんじゅうの皮(線維輪)の外側に前後の固い支え(後縦靭帯)があったとします、この固い支えをよけてあんこ(髄核)が飛び出したのが外側型。

固い支え(後縦靭帯)が何かの問題で亀裂などが入りその隙間からあんこ(髄核)がおまんじゅうの皮(線維輪)から飛び出したのが正中型です。

椎間板ヘルニアの出方によっての分類

今度は出方による分類です。

膨隆型椎間板ヘルニア

膨隆型ヘルニアは後方の線維輪や後縦靭帯など突き破らず髄核の後方移動が起こり、神経を圧迫し症状を起こしている状態です。おまんじゅうで例えるとあんこ(髄核)が押しつぶされることにより後方に移動しおまんじゅうの皮(線維輪)を破らずにいびつな形になっている状態です。

膨隆型のヘルニアにはこちらのストレッチ

突出型椎間板ヘルニア

突出型ヘルニアは文字通り、線維輪を破り髄核が椎間板の外側に出ている状態です。昔は、画像診断が進んでいなく椎間板ヘルニアはすべて出ていると教えられてきましたがMRIなどの技術が進み、出ていない膨隆型ヘルニアの概念が生まれました。突出型ヘルニアは、椎間板から髄核から出ていくことによりマクロファージの捕食対象となるため2~3か月で貪食されるため症状の自然軽減があるとされています。

※マクロファージの作用は貪食(どんしょく)作用といって自分の身体の不要なものを食べてくれます。

おまんじゅうに例えるとあんこ(髄核)がおまんじゅうの皮(線維輪)を破り外側に飛び出ます。そのあんこはマクロファージによって食べられヘルニアはなくなるといわれております。

 

まとめ

椎間板ヘルニアは様々なアスリートから一般の方まで起こります。症状は腰から足にかけてに広がる痛みと痺れが主症状になります。

気になる方は自己判断はせず必ず専門機関に受診されてください。

 

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