腸脛靭帯炎『ランナーズニ―、ランナー膝』の原因、テーピング、ストレッチ、セルフケア|おすすめ動画付き

スポーツ障害・怪我

腸脛靭帯炎は別名『ランナーズニ―(ランナー膝)』といわれるぐらい中長距離の陸上選手やダッシュを繰り返すスポーツに多いスポーツ障害です。多くの原因はオーバーユース(使いすぎ)だといわれております。

しかし、オーバーユースといわれておりますが、高校生や大学生などはチームで同じ練習をしても腸脛靭帯炎になるアスリートとならないアスリートがいます。もちろん体重や筋力も1つの要因なので練習量だけで判断するのは難しいと思いますが練習量だけがすべてではありません。

今回はテーピングを紹介するのですが腸脛靭帯炎についても説明していきます。

腸脛靭帯とは!?

青い部分が腸脛靭帯です。腸脛靭帯は股関節側で大腿筋膜張筋と大臀筋につながり、膝側では脛骨上端の前外側面のガーディー結節に付着します。股関節の内転により緊張し、外転により弛緩します。また膝関節の伸展により後方部が緊張し、屈曲により前方部が緊張します。ただし、90°~100°を越えて屈曲をすると全体的に弛緩します。

 

腸脛靭帯の緊張は大腿筋膜張筋と大臀筋に依存するとともに、膝関節の安定性に関与します。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?

腸脛靭帯炎は膝の外側で起こる痛みなのですが、痛みが起こる部位は上の図で丸く囲った部位になります。最初に述べたのですが長距離のランナーなどに多い障害です。これは腸脛靭帯が大腿骨外側上顆という丸で囲ったところの骨との間に生じる摩擦により炎症が起こります。

(実際はこの下にある脂肪体がこすれ、炎症を起こしているといわれています)

摩擦が起こる原因は腸脛靭帯の拘縮(簡単に言うと固くなっている状態)とか、膝を曲げた時に膝がはいるニーイントゥーアウト(Kneein-Toeout)という状態が問題といわれております。膝の曲げ伸ばしでこの骨と擦れるようになってしまいます。

腸脛靭帯の拘縮の主な原因としては大腿筋膜張筋の緊張とされています。前項でも書いたように腸脛靭帯の緊張は大腿筋膜張筋と大臀筋に依存しています。ですので腸脛靭帯が固い人は股関節を動かすための筋肉硬いということなので股関節の可動域が狭くなっています。

またニーイントゥーアウトを制御をするのは腸脛靭帯を介した大腿筋膜張筋の制御が必要とされています。

ですので、腸脛靭帯炎の場合は股関節の可動域などが非常に大切になっていきます。

腸脛靭帯の拘縮のテスト法

オーベル テスト(Ober test)

オーベル テスト(Ober test)は腸脛靭帯の拘縮をみるテストです。腸脛靭帯や大腿筋膜張筋に拘縮があると大腿は下に下降してこず股関節屈曲方向に逃げていくようになると陽性所見になります。

拘縮があると大腿骨の外側上顆と腸脛靭帯で摩擦が起こりやすくなるため腸脛靭帯炎の原因となっていきます。

大腿筋膜張筋のストレッチ

腸脛靭帯炎の予防、および改善のためには大腿筋膜張筋のストレッチは非常に重要になります。腸脛靭帯炎の原因の所でも書いたように、腸脛靭帯炎には大腿筋膜張筋は非常に関係が強いです。

大腿筋膜張筋の柔軟性をしっかり出しましょう。

余談になりますが、スポーツ期における脊椎分離症の発症する9割以上が腸腰筋、大腿筋膜張筋などの股関節屈筋群の拘縮が診られるそうです。

 

腸脛靭帯炎のテーピング

腸脛靭帯炎の時にオススメのテーピングをご紹介します。

腸脛靭帯炎は走る際に強く痛みが出たりしますので、基本は休養が大事です。しかし走らなければいけないときや、復帰し始めの時などは非常に役に立ちますので是非活用してください。

テーピングで用意するもの

五センチ幅のキネシオテーピングを用意してください。

テーピングをする際は肌をきれいに拭くなどして清潔にしてください。また体毛などがあると剥がれやすくなりますので可能であれば事前に剃るなどしておくと剥がれにくくなりますし、剥がす時には痛みが少なくはぐことができます。

テーピング法

 

股関節から膝までをサポートするテーピングになります。このテーピングをすることにより膝の安定感が増すことがわかると思います。腸脛靭帯は膝が伸展していく際に緊張し膝の安定性に関与します。

実感してみてください。

腸脛靭帯炎のセルフケア

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ストレッチポールなどを使い腸脛靭帯や大腿筋膜張筋などをセルフストレッチなどをするのもオススメです。

 

大腿筋膜張筋と腸脛靭帯のセルフケアを行うのは当然の考えだと思うのですが、一緒に行うと効果的なのが外側広筋のケアです。

外側広筋は大腿外側を覆う大きな筋であり、大腿筋膜という大腿部にある大きな発達した筋膜に覆われます。腸脛靭帯は大腿筋膜の外側部にある中で一番厚みがあります。腸脛靭帯が緊張が亢進すると、大腿筋膜の緊張も亢進し外側広筋を包み込む筋区画も内圧が上昇します。

この内圧が上がることにより外側広筋の筋緊張が高まります。ですので腸脛靭帯炎では、外側広筋の過緊張を伴うケースが多いです。外側広筋の筋緊張をなくしてあげると大腿筋膜の緊張も緩み、腸脛靭帯にゆとりが出るので痛みが減少することも多いです。

まとめ

腸脛靭帯炎はランナーにとっては非常に厄介なスポーツ障害です。治療の原則は早期発見早期治療です。誤魔化しながらしてしまうと回復にまで非常に時間がかかる事があります。腸脛靭帯の拘縮が進んでしまうと治りも悪くなってしまいます。

オーベルテストなどで左右差がある方は痛みがなくても黄色信号です。しっかり股関節の可動域を出しましょう。

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普段からの身体のケアが非常に重要になります。股関節の可動域はどのスポーツにもパフォーマンス向上のために重要なファクターです。しっかり可動域をだしてしっかり早く治して練習に復帰しましょう!

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