股関節のつまり なかなか治らない股関節痛に|大腿骨の後方滑り

スポーツ障害・怪我

股関節の痛みや股関節をスクワットなどで深く曲げた際、股関節の前方に特有の『つまり』を感じるアスリートは多いと思います。

つまりを放っておくと股関節の前方インピンジメント(FAI)であったり、グロインペインシンドローム(鼠径部痛症候群)の原因になったりします。

しかしこのつまりが長く続いてしまうことは多く、困っている方は多いと思います。

ストレッチやマッサージなどをしてもなかなか変わらない事も多いのが事実です。私なりの解釈をしていきます。

 

そもそもつまりってなぜ起こるの!?

股関節は臼関節といってあらゆる方向に動く関節です。もともと動く範囲が広い関節なのですが関節内の適切な動きをしなければ動きが悪い感じがします。

 

股関節のつまりがわからない人からすれば筋肉が硬くて動かないイメージを持つかもしれませんが(私は現役時代や運動をするとすぐに股関節のつまりを感じていたタイプです。)つまりとは別次元の感覚です。

 

まさに股関節を曲げると関節のなかに何かが挟まって動かなくなる感じです。

ではなぜその感じが出るのでしょう?

股関節は前方に足を上げる際、大腿骨の骨頭が軸回転をしながら上がります。(赤い矢印)この際、大腿骨は軸回転だけではなく後方に滑るような運動をします。転がり滑り運動といいます。

 

股関節の屈曲動作はこの動きがスムーズに行われることによって股関節が前方に曲がることができます。

この後方の滑りを悪くしている因子が後方の関節包、靭帯、筋肉です。

この青丸で囲んだ部分にある軟部組織がまるで屋根のような働きをしてしまい後方に滑ることが出来なくなり、股関節の前方で大腿骨と股関節の前方の軟部組織がインピンジメント(衝突を起こしている)してしまうのです。

 

つまりのある人のほとんどが前方が硬い感じがするために、股関節前方のストレッチ(ヒップフレクサー群)をすることが多いような気がします。私もそうでしたが、前方が柔らかくなることによって大腿骨の骨頭は前方に移動しやすくなりさらにインピンジメントを起こしやすい状態になってしまいます。

 

後方はタイトネス(固い状態)な状態なのに前方は柔らかいと症状は進んでしまいます。

 

股関節の安定性を出すために

股関節が後方に移動すること(大腿骨頭の後方滑り)の重要性については書いてきましたが、つまり感を感じる方は逆に大腿骨頭は前方に動きやすいとされています。

前方に動くということは前方で大腿骨と骨盤周囲の軟部組織が当たりやすくなるということです。

 

そこで大切なのが前方にいかない為の安定性です。

股関節の前方の安定性に重要な腸腰筋群

腸腰筋は股関節の前方にあり大腿骨頭の前方を包むようにあります。この腸腰筋が肩関節のローテーターカフのように大腿骨頭を寛骨臼に押しつけるように作用し股関節の前方の安定性を向上させます。

 

腸腰筋の筋出力が低下することにより、大腿骨の前方移動を促し股関節の安定性を低下させます。

大腿二頭筋の代償作用

股関節に障害をうったえるアスリートに多いのが大臀筋の筋出力が下がり、股関節の伸展を大腿二頭筋を代償的に使っているということです。

 

大腿二頭筋は膝関節を越えて付着するので股関節伸展を行うと、大腿骨頭の前方にいくのを助長するような動きになってしまいます。(図のB)

股関節の安定性を出すためには上手く大臀筋を使う必要があります。(図のA)

 

股関節の前方のつまりの解決法

痛みが出ている時は思い切って休む

股関節のつまりが強く痛みが出ている場合は痛みの出ている運動を控えるというのは大切です。

無理してプレーをしてしまうのは故障を長引かせてしまう要因の一つになります。アスリートにはどうしても「休む=悪い事」と思ってしまう事があります。

そんなことはありません。休むのも身体にとっては練習と同じくらい大切なことです。

 

股関節前面のストレッチを控える

股関節の前面のストレッチをしてしまうと上述したように、股関節前面が緩み大腿骨の骨頭が前方に移動をしやすくなります。大腿骨を正しい位置でコントロールをしなければならないのでストレッチを控えた方がいいでしょう。

 

どうしても股関節の前面を緩めたいなと思ったときはマッサージやフォームローラーなどでするのがいいと思います。

またストレッチをするのは正しくストレッチをしましょう。ストレッチをする際ドローインをして骨盤を立てるイメージで行ってください。骨盤が前方に倒れる事により骨頭が前方に行きやすくなるので気をつけましょう。

 

大臀筋を鍛える

 

上記でも書きましたが、股関節の前方につまりを感じるアスリートに多いのが股関節伸展時にハムストリングが優位になり大臀筋がうまく使えないということです。ハムストリングスは大腿骨に付着しないため大腿骨をコントロールには向いていません。

ですのでしっかり大臀筋を使えるようになるのは非常に大事になります。

 

上の動画のように多裂筋→大臀筋→ハムストリングの順に力を入れていく感じを覚えるようにしましょう。

 

股関節後方の軟部組織にアプローチ

青丸の筋肉を柔らかくしていきましょう。私は鍼灸師なのですが、大臀筋の奥にある深層外旋6筋などにしっかり鍼でアプローチをすることが出来れば股関節の屈曲制限がかなり改善されます。この部位はかなり深い所にあるので長めの鍼でアプローチをするようにしましょう。

私は横向きの股関節、膝関節屈曲90°で狙っていきます。

超音波で1MHzなどの深層を狙えれば同じような効果を得られます。

セルフケアをする場合はフォームローラーなどで表層の大臀筋を緩めた後で、軟式ボールなどを使ってこのあたりの筋肉を緩めてみてください。

テニスボールを使った股関節のセルフケア|セルフマッサージ

 

まとめ

股関節の前方のつまりや痛みは股関節の関節唇の損傷などもありますので痛みが続く場合は必ず検査などを行ってください。筋肉や靭帯などの軟部組織以外の骨の問題などがありますので不安があれば専門機関に診てもらうべきです。

 

画像診断などで問題がなければ今回ご紹介したものを試されてみてください。

 

 

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