陸上の短距離やダッシュ系の多いスポーツで頻発するハムストリングスの肉離れの予防や再発防止のためのストレッチをご紹介いたします!普段からハムストリングスの柔軟性を獲得しておくのは非常に重要で、肉離れを繰り返してしまうアスリートは、ハムストリングスが固かったり、左右差があったりします。左右差があったり固かったりするとハムストリングスは肉離れをしやすいです。普段から柔軟性を求められる筋肉です。
またハムストリングが柔らかくなることによって腰痛などの予防や痛みを和らげることにもつながりますので是非実行してほしいストレッチです。
そこで今回ご紹介しますのは、徳島大学医学部教授の西良浩一先生が提唱されているジャックナイフストレッチです!
伸張反射と相反性抑制
ジャックナイフとは折りたたみナイフのことです。やる姿勢が折りたたみナイフのように伸ばしていきますのでこのような名前になったと思います。
従来のストレッチは伸ばすことによって無理に伸ばされ筋を傷つけないように縮もうとします。(伸張反射)とくに固い方に多くみられるのですが少しでも伸ばそうとして体を一生懸命反動をつけてストレッチをしようとする方がいます。
このようなストレッチをすると伸張反射が起こりうまくストレッチが出来ないだけではなく筋肉を傷めてしまう原因になってしまいます。
つまり、無理に反動などをつけてストレッチなどをしても伸張反射が起こりなかなか柔軟性を獲得することは難しいです。
しかし、ジャックナイフストレッチは従来のストレッチと違い、立位で膝を伸ばそうとする(大腿四頭筋の筋収縮を起こす)ため大腿二頭筋が弛緩し伸びやすくなります。(相反抑制といいます)この性質を使ったストレッチなので非常に効果があるといわれております。
相反性抑制は関節運動を起こす時に自然に起こる生理的現象です。例えば肘を曲げるときに例えれば、肘を曲げるときに動く筋肉は主に腕の上腕二頭筋です。上腕二頭筋は力こぶを作る筋肉ですが、主に肘を曲げる筋肉です。肘を曲げるときに上腕二頭筋が主に働きますが肘はそれだけでは曲がりません。肘が曲がるときに力こぶの反対側の筋肉が伸びなければ肘は曲がろうとしません。肘が曲がろうとしたときに力こぶと反対側(上腕三頭筋)が緩んで邪魔をしないようにするのが相反性抑制といいます。
つまりこのジャックナイフストレッチはこの相反性抑制を使ったハムストリングスのストレッチになります。
相反性抑制を使うことによって効率的にストレッチの効果を高める事が出来ます。
やり方
②両手で両足首をしっかりと握ります。
③胸と太ももの前側をくっつけます。
④胸と太ももが離れないように膝を徐々に伸ばしていきます。(この時に強い痛みが出れば無理をしないでください)
⑤限界まで伸ばしたらそのポジションで15秒間ほどキープ(呼吸を止めないように気を付けてください)
まとめ
このストレッチはハムストリングスが固い(=タイトハム)のときにももちろん使えるのですが、慢性の腰痛などにも効果抜群です。慢性の腰痛の原因の一つとしてハムストリングが固くなり股関節の可動域が狭くなっている事があげられるからです。
このような腰痛を屈曲型の腰痛といいます。
FFD=体幹前屈の可動性を指床間距離(finger-floor distance)をハムストリングスの柔軟性の指標に使われますが(ようは前屈した時に手が地面につくか)このストレッチを朝昼晩と10秒×5セットを目安に継続して一か月してもらうと10㎝ぐらいの改善がみられることも多いです。
実際、私もこれで15cmほど柔らかくなりました。
またハムストリングスが固いことにより骨盤帯の後傾を起こしてしまいます。ハムストリングは骨盤の下部に当たる坐骨結節から始まるため、ハムストリングスが固くなり短縮すると骨盤を後方に引っ張るため骨盤は後傾します。
骨盤の後傾位は腰痛の原因になることもありますが、スポーツ選手にとって死活問題である、ハムストリングの筋出力の低下にもつながりますので日ごろから十分に柔軟性を獲得するようにしておきたいですね!(骨盤大腿リズムについてはいつか書いていきたいと思います)
ぜひ今日からお役立てください!
動画
(SupoLab様)
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