「あの選手はばねがあるねぇ~。」「もうちょっとばねをつけなきゃね。」なんてよく聞きますよね?
いろんなスポーツのシーンでよくいわれる「ばね」ですが、じゃあなんなの?と聞かれたらうまく答えれる人はなかなかいないと思います。
そんな「ばね」に関して説明し、今回ご紹介をする記事は「伸張反射とトレーニング」です。
伸張反射ってなに?
難しい言い方をすれば
筋肉に伸びるような外力が加わった際、その筋肉が伸びすぎて切れないように収縮する反射です。
たとえに出すなら膝蓋腱反射といって、膝がしらを医療用のハンマーでたたいて膝が伸びるのを見たことないでしょうか?
あれは膝の膝蓋腱を叩くことによって、膝の大腿四頭筋が伸ばされる刺激が加わり、大腿四頭筋が収縮する反射です。
わかりやすく言うと、筋肉が勢いよく伸ばされた場合、自動的に筋肉が元に戻ろうと収縮しようとすることです。この反応は意識して行うものではなく無意識で行われるものです。
伸張反射を利用する!?
跳躍やジャンプ系のアスリートからの質問でよくあるのが
「どこの筋肉をつければ、バネがつきますか?」
この質問に対して私が思うのは
筋肉をつけるだけではばねはなかなかつかないと思います。
実際、高跳びの選手をみて筋肉質の選手がいるでしょうか?
むしろやせ形の方が多いと思います。
やせ形の選手がなぜより高くやより遠くに飛べるのでしょうか?
筋力を決める要素として
・筋の断面積(筋肉の質量と思ってください。つまり筋肉の量です)
・筋繊維の質
・筋の収縮速度
というものがあります。
ということは筋肉の断面積(量)が少なくても収縮速度がはやければ高い筋力が出せるということです。
筋の収縮速度を決めるのは神経伝達速度で決まります。
神経伝達速度は反復練習で速くなるといわれます。神経伝達は電気刺激なので繰り返し動作で伝達速度が速くなるといわれています。
ここで出てくるのが「伸張反射」です。
伸張反射は筋肉が勢いよく伸ばされた場合、自動的に筋肉が元に戻ろうと収縮しようとすることです。
つまり、筋力ではない筋収縮です。
だから「ばね」をつけるために
伸張反射のある運動を反復して繰り返すことが大事になってきます。
プライオメトリクストレーニングって!?
トレーニングの中で「ばね」を鍛えるのに必要なトレーニングとして話題なのがプライオメトリクストレーニングです。
プライオメトリクストレーニングはどのようなトレーニングかというと先ほど紹介した「伸張反射」をつかったトレーニングになります。
このプライオメトリクストレーニングのメリットとして
- 筋の収縮速度が向上する
- 筋肉の質が速く収縮するようなものに変化する
- 正しい筋出力のタイミングを覚え連動性(キネティックチェーン)が向上する
- 骨格が速く動くようになる
といった能力が向上します。この能力たちを総合して私たちは「ばね」と呼びます。
トレーニングの内容としては
- ハードルジャンプ
- ボックスジャンプ
- バウンディング
などがあります。
これらのトレーニングはジャンプ→着地→ジャンプを繰り返すトレーニングです。
ジャンプの着地をした時に脚のふくらはぎやハムストリングスたちは衝撃を受けるため外力を受け少し伸ばされます。この少し伸びた瞬間に伸張反射が起こります。ハードルジャンプやボックスジャンプはこの伸張反射を繰り返し行わせ反射の速度を速めていく練習です。
次の動画をみてください。
アリソンフェリックス選手の練習なのですが動画の中の1分10秒以降のジャンプトレーニングのスプリットジャンプをしているのですが、普通のスプリットジャンプは足を左右入れ替えるだけですが、アリソンフェリックス選手はかかとをお尻に引き付ける動作が加わっております。
ただ単にトレーニングをするのではなく小さな工夫を入れているのがわかりますよね?
前半にあるボックスジャンプも非常にためになると思います。
一流アスリートもプライオメトリクストレーニングをいれてトレーニングしていますね!
まとめ
今回の記事はスポーツ現場における「ばね」を解説いたしました!これから始まる冬季トレーニングなどに入れると最適だと思います。
明日からの練習の意識に是非参考にされてください!
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