干渉波の使い方、イメージ(前半基礎)#8

本日もお付き合いありがとうございます陣内由彦です。

今日も12時を過ぎてブログをスタートさせていただきたいと思います。

今回の記事は過去に別のサイトで紹介した文を転載してご紹介していきたいと思います。

前回に引き続き干渉波です。

前回記事はこちら(^^♪

このようなご質問を頂きました。

こういったのはほんとに嬉しいです!!!

でも干渉波は簡単なようであってなかなかイメージが間違えていたり、場しのぎ的に使っている先生も多いとお聞きします。

今回ご紹介している内容は私見も多く含んでいますのでそこはご了承ください。

ES-400は当院でも使用している機器でもありそこをベースでお話していきたいと思います。

目次

干渉波の基礎的な考え方

干渉波は複数の電極で違い(周波数)のある電気を通電させ重なった干渉領域をつくり、違う周波数差で低周波を生じさせ変化を出す電気療法です。

ちょっと解りにくいですよね・・・

いつもお世話になっているリアル物理療法マガジンに干渉波についてのおすすめの記事がありますのでよければこちらも読んでみてください。

https://note.com/chiryo_tara/n/n4cb2956bb90c?magazine_key=m94bfee0fc38c

実際はこちらを読んでいただいただけでほぼ問題はないと思いますのですがちょっと個人的な意見も交えながら書いていきます。

まず干渉波の効果として望めるのは

疼痛コントロール

  • ゲートコントロール
  • 下行性疼痛抑制系
  • 内因性オピオイド分泌
  • ウェデンスキー抑制

筋緊張の緩和

筋ポンプや単収縮を起こすことにより筋のスパズムの改善や血流の促進を図る

という効果が考えれます。

一つ一つを説明していくとこの記事自体が膨大になるので今回は割愛します。

それではこれがなぜ起こるかということを理解しましょう。

周波数を理解する

干渉波には『治療周波数(干渉周波数)』と『搬送周波数』の2つの周波数があります。ここを間違えるとうまく干渉波自体のイメージがずれてしまいますので少し分けてお話していきたいと思います。

まず周波数で理解しておかなければならないのは人体の中で反応が起こりやすい周波数帯は『低周波領域』だということです。

そしたらES-400などで謳っている『中周波干渉波』はどういう意味なのでしょうか?

ここをまず理解していきましょう。

まず大前提として

低周波はおおよそ1000Hz未満
中周波はおおよそ1000Hz以上10000Hz未満
高周波はおおよそ10000Hz以上

と定義されます。

おおよそと書いたのは文献によって低周波は1000Hz以下1001Hz以上などの細かい書き方をしているものもありますのでおおよそという書き方をしています。

ここを頭に入れて次の項目にいきましょう♪

治療周波数(干渉周波数)

治療周波数(干渉周波数)とはいわゆる人体に変化を出すための周波数です。

これはそのままの意味になるのですがこの周波数帯が重要になります。

低頻度と言われる40Hz以下ではβエンドルフィン、エンドルフィン、エンケファリン

高頻度の40Hz~100Hz以上ではダイノルフィンなど内因性のオピオイドが出るといわれています。

昔は150Hz程度ぐらいまでが効果があるといわれていましたが最近の論文では200Hz~250Hz(セロトニン、ノルアドレナリンが分泌)辺りまで効果を示唆する報告もあるようです。

また内因性オピオイドは下行性疼痛抑制系と補完をしあいながら疼痛のコントロールをしていきます。

また低頻度の5Hz程度の単収縮が起きるHz数では筋ポンプ、筋ポンピングが起こり筋のスパズムの改善や血流の促進が起こります。

ざっくりとした解釈でいえば

急性期では高頻度帯で通電し出力を感覚レベル(感覚閾値レベル)での通電

回復期では低頻度帯で通電し出力は運動レベル(筋収縮を起こすレベル)での通電

という解釈でスタートしていきましょう。

ここで変化の違いを覚えて細かい変化を狙えるようにしていきましょう。

まず治療周波数(干渉周波数)はこのように身体の中で変化を起こすような周波数という風に理解しましょう。

搬送周波数

さて治療周波数のことはある程度ご理解できたかなと思うのですがこの時点では中周波干渉波の『中周波』っていう言葉が意味が解りませんよね!?

先ほどもいいました変化を出すために重要なのは低周波領域です。

ではなぜ中周波何でしょうか!?

ここは搬送周波数が中周波領域(1000Hz以上10000Hz以下)から由来しています。

そしたら搬送周波数とは何でしょうか!?

搬送=運んで送ること

です。

つまり搬送周波数とは電気治療を運ぶための周波数ということになります。

皮膚は絶縁体に近いぐらいの通電率ですので非常に電気が流れにくくできています。

これを普通に電気を流しても電気が流れにくいままなので皮膚の抵抗(これを皮膚のインピーダンスといいます)を落とすために周波数を上げます。

周波数を上げると抵抗値が下がるといわれていて搬送周波数1000Hzに対して皮膚から約1cm程度通電できると考えられます。

つまりES-400などの『中周波干渉波』は搬送周波数が中周波領域まで出力できる干渉領域が低周波になる電気療法という意味になります。

ただ治療周波数のところで生体内で効果があるのは低周波領域だと書きましたが実は中周波でも疼痛抑制のかかる効果があるものがあります。

それがウェデンスキー抑制というものです。

ウェデンスキー抑制とは刺激中の不応期において一つ以上のパルス波が生じる場合、その期間内の神経線維の再分極が起きにくいもしくは完全に阻止される状況になります。

膜電位がその安静位に帰る時間はますます長くなり、遂には戻らなくなります。

中周波電流で連続刺激していると、このように反応が抑制されることがあり、あるいは刺激期間中完全阻止となってしまうことがあります。

これは中周波の疼痛コントロールとしては重要な考え方になります。

では実際に通電イメージを考えよう!

上記の図は干渉波が通電しているときのイメージなのですが2極干渉波、4極干渉波だろうが同じようなイメージをしてもらって大丈夫だと思います。

電極からは搬送周波数で設定した電気がベースとして出るようになります。

対となっている電極からは搬送周波数+治療周波数(干渉数周波数)の合計値が出るようになります。(ここはおそらくメーカーによって違うと思いますが多くはこのようなイメージで大丈夫だと思います。)

これで周波数に差が出て電極から波紋上に広がって重なった部分が干渉領域となり搬送周波数は打ち消され治療周波数だけが残り生体に反応が出るようになります。

これが周波数から見る干渉波になります。

ここをイメージができると身体の中でおおよそどうなっているかはイメージができると思います。

実際はどのように通電されているかは見ることができません。

いろんなメーカーからいろんなデーターなどを見せて頂いて私なりのイメージですのでご了承ください!

まとめ

今回の記事は干渉波の基礎的な周波数の考え方をまとめていきました。

内容が長くなったので前後編に分けて記事を書いていきます。

後編は干渉波の体感方法と実際の通電例を挙げてご紹介していきたいと思います。

参考文献

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医歯薬出版
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質問などはTwitterなどでDMいただけたらと思います。

今回はここまで(^^♪

最後までお付き合いありがとうございました♪

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