こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。
今回はご質問されることも多い鍼に微弱電流ってどうなの?っていうことについて書いていきたいと思います。
私の個人的な意見も含まれていますのでご了承ください。
この記事の内容をより詳しく知りたい方はnoteというプラットフォームで書いている私の記事を見てください。
おそらく鍼+微弱電流についてかなり詳しく書いていると思います。
手前味噌ですが、現状で鍼と微弱電流のことについて理論や手法について書いているのはないんではなかろうかと思っております。
是非ご覧になってみてください。
微弱電流はマイクロカレント、MCR、MMCやMENSなどで表記されますがわかりにくいので今回は『微弱電流』で統一したいと思います。
微弱電流って何で効くの?
微弱電流は簡単にいうとものまずはすごい弱い電気だと覚えてください。
ちなみに電気の強さでいうと感覚閾値以下の1mA(1000μA)以下の電気だといわれています。
なんでそんな電気が効くのって考えたことあるでしょうか!?
人によっては強い電気のほうが効くんじゃないのって思うかもしれません。
これを理解するには損傷電流というものがわかるといいと思います。
静止している生きた細胞膜には、50mV前後の電位が存在することはすでに生理学的に古くから知られています。
これを静止電位(Resting potential)や静止膜電位(Resting membrane potential)と呼びます。この膜電位は形質膜の外面が(+)、内面が(−)に帯電した状態になっており、傷がつくと損傷部位は電気的には負となり正常部分から損傷部に電流が流れ込みます。
この現象を損傷電流(Current of injury)ともよびます。
損傷電流は細胞単位だけで起きるわけではなく、組織が傷ついた場合にも起こるとされておりこの損傷電流の強さはおよそ10μA〜30μAであるといわれています。
この損傷電流は微弱電流領域だと言えます
損傷電流が起こることにより損傷された組織を素早く修復するためにのエネルギーを供給するATPの生成やタンパク質の合成が速く行われるとされています。
そのため人工的につくられた、損傷電流=マイクロカレントはこれらの働きを補完し、促進されるということになります。
このあたりのATPの生成やタンパク質の合成は微弱(=損傷電流)の電子の働きによって生体内の化学反応に影響を与えるだろうとされています。
note微弱電流+鍼治療より
これではちょっと難しいなって思う方にイメージをもってもらうために簡単にいうと
『細胞が損傷したときに発生しそれが流れると損傷を治そうとする電気』
かなり乱暴な押し付けになりますが最初はこれぐらいで思ってもらってもオッケーだと思います。
ですので簡単に微弱電流の効果をまとめると
- 損傷の回復
- 疼痛のコントロール
- 浮腫の改善
- 褥瘡の回復
- ATPの生産
です。褥瘡の回復以外は鍼灸の施術では大事なところになりますよね。
現行の微弱電流通電が出来る鍼通電機器
微弱電流を流せる機器は現在エントリーモデルからハイエンドまでかなり幅があります。
数万から5百万クラスですねw
この中で現在鍼通電ができる機器は3台だけです。それ以外は鍼通電目的では作られていないので安全性は担保されていません。
まずはピコリナです。
セイリン社製で私がセイリンで講師をするときに使っている機器です。
次にLFP-2000eといわれるオームパルサーシリーズ(全医療器)です。
オームパルサーシリーズは使っている方も多いのと電子てい鍼というものついているので面白い機器です。
もう一つはラスパーエース・MC KE-600というカナケン社製の機器です。
カナケンは昔からバイオカナックスという機器を作っていて微弱電流機器のメーカーとしては古くそのノウハウが関係しているのか使用して効果は良いと思っています。
鍼と微弱電流の親和性
私の個人的な意見としては微弱電流と鍼はかなり親和性は高いと考えています。
理由は色々あるのですが大きく分けて3つです。
- 皮膚抵抗の問題
- 深さの問題
- 痛みの問題
です。
簡単に分けて紹介していきますね。
皮膚抵抗の問題
人間の体は電気が外部から流れにくい構造になっています。
それに対して働いているのが私達の体の一番外側に『皮膚』です。
皮膚は乾燥状態では約2000〜5000Ωほどあるといわれています。
これはかなり抵抗値がある数値と言えます。
例えば皮膚に粘着パッドをつけて通電する方法で行うとこの抵抗値の高い皮膚を介して通電するのでどこまで通電できているかわかりません。
しかしながら、鍼通電だとここが無視をして行えるという最大のメリットがあります。
深さの問題
程の抵抗値の問題とも繋がっているのですが通電すると皮膚の抵抗があるために減衰というものが起こります。
つまり電気を流しているパッドには設定した数値が流れていますが抵抗を受けたあとでは電気の強さは弱くなっていることが考えられます。
さらに損傷しているところが深いところにあるのならばそこに届いていない可能性もあります。
鍼通電の場合鍼先を損傷患部に近づけることが出来るので効果は高いことが考えられます。
痛みの問題
鍼通電する上で必ずある一定数おられるのが、『ただでさえ鍼が怖いのにさらに電気までするなんて耐えられない』問題です。
これは私達鍼灸師がないですよと言っても患者さんは思ってしまいます。
こればっかりは仕方がないと思います。
よく考えてみてください。
鍼を刺すんですよ?
患者さんにとっては注射と同じです。
しかもそこに電気を流すんですよ?
怖い人にとって知らないなら嫌に決まっていますw
ここに微弱電流を流すと痛みもなく流すことができます。
これで効果があれば患者さんにとってはとてもいいことですよね‼
これらが簡単に説明する鍼と微弱電流の親和性です。
まとめ
今回は簡単に微弱電流と鍼について簡単に説明していきました。
私個人の意見ですがむちゃくちゃ効果的だと思っています。
もっと理論的なことを知りたいなと思う方は是非こちらもみてください。
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